こんにちは、理学療法士の中山です。
だんだんと歩けるようになってくる
2〜3歳ぐらいのこどもの姿勢を見ていると、
「なんだか腰が反るようになってきたな〜」
「大丈夫かな〜、治した方がいいのかな〜」
と思うことがあるかと思います。
今回は、腰が反っているとどうなるのか?
そもそも、こどもの腰が反るのは悪いものなのか?
という点からこどもの姿勢について
一緒に見ていってみましょう。
〔腰が反るのは自然なこと〕
人体模型や教科書などで
見たことがある方もいるかと思いますが、
人の背骨は横から見てS字状の形が自然な形です。
ただ、これは生まれたときからこの形というわけではなく、
大人になるにつれて徐々に獲得していくものです。

こどもによって多少バラつきがありますが、
このS字状の構造は、だいたい10歳頃を目安に
出来上がっていくとされています。
〔そもそも何故、背骨は曲がる必要があるの?〕
背骨がS字状の構造となるのには
いつくかの理由があります。
・地面からの衝撃をやわらげる
・力の伝達を良くする
・バランスを取りやすくする
などです。
詳しく説明すると長くなるので今回は割愛しますが、
これらは共通して身体の効率性を追い求めたものです。
ですので、成長していく中で腰が反ってきたり、
背中が少し丸くなるというのは成長の証のようなものであり、
身体の動かしやすさという面でもとても良いことなのです。
※明らかな異常を認めるようなものについては、
定期的な検診などでの医師の判断を仰いでください。
〔基本的には治す必要はない〕
これまでの内容から、こどもが反り腰なのは
自然であり良いことなのだというのが分かったかと思います。
しかし、必ずしも良いとは言い切れません。
中学生、高校生あたりの年齢での過剰な反り腰は
大人と同じく腰痛、肩こりなどのケガや
運動能力の低下などを引き起こす可能性があります。
このようなことが起きた場合は、
身体の筋肉の使い方がうまくいっておらず、
その負担が腰にいっていることが多くてあります。
次に、身体の筋肉の使い方が良くなる
簡単な体操を紹介しますので試してみてください。
〔体幹が安定し、腰の負担が減る腕まわし体操〕
・親指を脇の下に入れ肩甲骨を掴むように押さえる。
・押さえたまま腕を前後に5回ずつまわす。
・反対の腕も同じように行う。
動画はこちら
この体操では脇の筋肉である前鋸筋という
筋肉を使いやすくすることができます。

前鋸筋は腕と体幹を繋いでいる筋肉ですが、
下の方のお腹周りや股関節の筋肉とも関係しているため、
体幹全体の安定に関わる筋肉になります。
今現在、
うちのこどもは姿勢については大丈夫!という方でも、
予防として、または運動能力向上を目的として
行って頂けると良いかなと思います。
ぜひ、試してみてください。
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