こんばんは。
福井を拠点に活動している理学療法士の山崎です。
「こどもに運動をたくさんさせているのに、
なんでうちの子はなかなか運動が上手にならないんだろう…」
そんな風なことを思った事ありませんか?
もし、そんな疑問がある方は今回の記事は参考になるかと思います。
こどもに運動をさせているにも関わらず、なかなか運動が上手くならない原因の一つに「睡眠」が大きく関わっています。
今回は、そんなこどもの運動の上達と睡眠の関係についてご紹介します。
《睡眠不足は運動量の低下を招く》
現代のこどもは、親の影響もあり夜型の生活になってきています。
こどもたちが親に連れられてファミリーレストランや居酒屋、
カラオケなどへ深夜に出入りしている光景をよく見かけるようになってきました。
また、こどもを連れた状態で夜遅くまで親のスポーツに付き合わせているケースもあります。
このように、こどもが夜型の生活になる事で睡眠リズムが崩れてしまいます。
そして、睡眠のリズムが崩れてしまうと朝ごはんを食べられなくなり、
午前中の活動力が低下し、1日の運動量が減少してしまいます。
それによって、昼夜の体温リズムを司る自律神経系の機能が低下してしまい、
ホルモン分泌リズムまで乱れてしまうのです。
結果、朝起きれず、日中活動できない、
夜はぐっすりと眠れないといった悪循環に陥ってしまいます。
そのため、睡眠リズムの乱れが運動量を低下させ、本人は動いているつもりなのに疲れやすく、運動がなかなか上手にならないといったことに繋がるのです。
《睡眠不足は運動の質も低下させる》
睡眠不足になると脳内のホルモン分泌が低下します。
中でも、セロトニンというホルモンは私たちの筋活動の源になっており、特に姿勢保持に深く関係しています。
この姿勢を保持する筋肉を抗重力筋とも言われ、主に身体のインナーマッスルが中心となっています。
そのため、睡眠不足によるセロトニン分泌の低下により身体のインナーマッスルの機能が低下してしまいます。
そうなると、姿勢を保持するのに身体の表層に位置するアウターマッスルも動員されてしまい、
効率の悪い身体の使い方をせざるを得なくなります。
本来私たちの身体はインナーマッスルが運動に必要な姿勢をつくり、
アウターマッスルが運動における動きをつくります。
その筋肉の優劣のバランスが崩れてしまう事で、身体の使い方がぎこちなかったり、
すぐ疲れやすかったりと運動の質の部分の低下を招きます。
このように、こどもの睡眠不足は運動量も低下させ、運動の質までも低下させてしまうのです。
《幼児期は特に10時間睡眠が推奨》
ある研究では、睡眠時間が9時間30分を下回る短時間睡眠のこどもは、
・注意集中ができない。
・イライラする。
・じっとしていられなくて歩き回る。
・疲れやすい
といった傾向にあると言われています。
そのため、幼児期は特に10時間睡眠が推奨されています。
これを逆算すると、朝7時起きであれば夜9時には布団に入る事が望ましいと言えます。
朝6時起きであれば夜の8時となりますね。
時期に応じた睡眠時間をしっかり確保する事が、生活リズムの構築や自律神経の安定に欠かせないのです。
《こどもの運動を上達させる体操》
睡眠リズムを正した上で、是非こどもたちにやってもらいたい体操があります。
それは、先ほどにも触れたように筋肉の優劣のバランスを整える体操です。
その体操の1つをご紹介します。
<筋肉の優劣のバランスを整える体操>
以下は、左太ももと胴体の筋肉を整える場合の手順です。
・立った状態で、左脚を足幅2つ分くらい前に出す。
・左手をへそから指4本上の部分に当てる。
・股関節から身体を少し前傾させ、右手で左内ももを叩く
これをやることで、お腹と太もものインナーマッスルをつなげることができ、
同時に整えることが出来ます。
お子さんが一人で出来ない場合は、親御さんが内ももを叩いてあげて下さい。
筋肉の優劣のバランスを整える体操を普段から行う事で、
好奇心旺盛なこどもたちは自然と運動に必要な身体の使い方をしっかりと身につけていってくれる事でしょう。
睡眠の確保と同時にこれらの簡単な体操を身につけて、こどもの運動能力をどんどん高めていきましょう。
他にもたくさんある睡眠の確保の仕方を知りたい方は、ことらをクリック
最新記事 by 体軸コンディショニングスクール (全て見る)
- ビックボスの秘策⁉新庄監督から学ぶ姿勢の極意 - 2022年3月10日
- こどもの運動神経が良くなる肩甲骨の使い方 - 2022年3月8日
- 靴底で分かるこどもの歩き方の特徴 - 2022年2月22日